高橋晶子教授の建築祭開会挨拶を皮切りに芦原先生のご家族もご出席頂き、芦原賞授与式が厳かに行われました。高橋先生より芦原アーカイブ収集開始のお話もありました。芦原賞は、本学建築学科卒業生・修了生の作品を対象に優れた創造的環境形成に寄与した作品に与えられる賞です。卒業生の多様な活動の積み重ねに対して評価されるので、継続的に応募する事の重要性が示されました。
受賞作:「増上寺旧境内調査と歴史的景観の保存活動」
受賞作:「日本の住文化再考」「日本インテリアデザイン史」「クロニクル 年代記」
伊坂道子氏受賞者挨拶にて、「増上寺旧境内調査と歴史的景観の保存活動の対象を江戸期から戦後復興時代にまで広げて行きたい」と、今後の継続的活動への抱負が語られました。
鈴木紀慶氏の「日本インテリアデザイン史」は、「日本のインテリアデザイン史を初めてまとめた重要な一冊である」と、五十嵐太郎審査委員長から氏の文化的貢献が高く評価されました。氏からは「ペーパーメディアの重要性」が語られました。
第10回武蔵野美術大学建築学科竹山実賞
受賞者:林英理子(はやし えりこ):1996年 学部建築学科卒業
受賞作:「Kulturhavn Kronborg」
受賞者:遠藤謙一良(えんどう けんいちろう)1985年 大学院建築コース修了
受賞作:「ちだ歯科クリニック」
林英理子氏は、10年以上の歳月をかけ実現された受賞作「Kulturhavn Kronborg」のランドスケープ計画を引合に、「性急に結論を求めるだけが全てではない』との見識を後輩へ伝えたいと語られました。
竹山先生から「柔らかな空間」と高い評価を得た受賞作「ちだ歯科クリニック」について、遠藤謙一良氏受賞挨拶の中で「竹山先生の作品であるインディゴで体験した寒いながらも快適な空間を進化させた」と、笑いを取る一場面もありました。
受賞した4名の卒業生の方々は、長年にわたる地道な活動に対する高い評価を、大変喜んでおられました。
審査委員長の五十嵐氏が語られたように、当建築祭が卒制イベントと卒業生イベントを同日に行うことで、学生・卒業生の交流が図られる本イベントは大変意義のある活動だと感じられました。来年は、更に大勢の学生の参加を期待します。
午後からは第2部として、卒制選抜講評会が盛大に開催されました。
29名の専任・客員・非常勤の先生方による投票による合議(1次審査・1次選抜12名のプレゼン・2次審査)を経て学科賞(金・銀・銅・奨励賞)・学校賞(優秀賞)が決定されました。
校舎中に作品や模型が展示された建築学科最大のイベントは、幕を閉じました。
以上 21期・会長 酒向 昇