第16回日月会賞審査会 報告

第16回日月会賞無事開催

前日に台風8号の襲来を受け一時開催も危ぶまれましたが、台風一過の暑いあつい土曜日に無事第16回日月会賞審査会が開催されました。

エントリー作品数は毎年増加しており、今年は史上最多の35作品でした。参加して下さった3年生の皆さん、長時間にわたり真剣に審査くださった審査委員の皆様、本当にありがとうございました。

3年生前期の課題は5スタジオ。源先生・長尾先生・高橋先生・布施先生・鈴木先生です。街のスケールから考えて行く高橋スタジオや、小さな発見を積み重ねて原寸で表現する鈴木スタジオまで今年も面白い課題が揃いました。

毎年審査インタビュー時間が足りずに終わってしまうので、今年は30分延長して臨みましたが、、、あちこちで熱い議論が繰り広げられました。さて時間通りに終わるのでしょうか??

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↑審査委員長の遠藤謙一良さんと満月賞受賞した遠藤貴大くん。

課題は高橋スタジオの「都市の環境単位」で、人の流れを読み解いた動線から発展させた300mの本棚で空間を構成した案です。

いやしかし、ここの展示スペースは暑かった、、、扇風機からも温風が吹き付けてくるし。

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審査委員の丸川真太郎さんも汗をふきふきおつきあい下さいました。何と息子さんがムサビ建築学科を44期で卒業されたとのこと。親子でムサビ!

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審査委員の川畑勝也さんと太陽賞受賞の川田琴音さん。多学科から編入したて。パワフルな模型と魅力的な空間造形の評価が高かった作品です。こちらも高橋スタジオ。

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審査委員の原田将史さん。10297562_269405249914045_6103781806459060777_n

 

 

 

 

 

 

 

 

審査委員の林英理子さん。こちらの310教室は涼しかったので皆さん二つの会場を行き来しながら暑さをしのいでいました。が、動けない学生さんの方は大変でしたよね。。。

夕方になってもちっとも涼しくならず暑い(熱い)会場から審査委員の皆さんが三々五々と帰還。まずは公開審査会へ進む10作品を選出していただきます。

「力作が多いからなあ〜」と皆さん悩みながら票が割れて、多めの14作品が選ばれました。

なんとほぼ予定通りの時刻に公開審査会スタート。

ここから約2時間の公開審査会と二次投票の結果、今年の太陽賞は、川田琴音さんの「吉祥寺現代美術館」。

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満月賞は遠藤貴大くんの「300000ミリメートルの本棚」。

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この2作品は二次投票で同点で、最終投票になりました。ほんとうに接戦でした。共に高橋スタジオの課題です。

三日月賞には斉藤有宏くんの「STEERIG」。源スタジオの課題です。こちらも同点となり、最終投票に向けて川畑さんの提案で「アピールタイム」にて作品を語ってもらいました。その際の不思議キャラも魅力的でした。

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OB全員の投票で選ばれる新月賞には田中楓さんの「Pick up girl」。鈴木スタジオの原寸ドローイングです。10537423_269410043246899_4603674341100625486_n

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

受賞されたみなさん、おめでとうございます!

二次会の懇親会にも会場に入りきらなくくらいの参加となりました。毎年毎年盛り上がっていくように思います。昨年から4年生の前年度受賞者によるサポートスタッフ制度も稼働し、後輩達には良いアドバイスになりますし我々も懐かしい顔を見れて嬉しく思います。参加してくれた3年生の皆さん、審査委員の皆様、影で支えてくださった小林さん、河野さん、大汗で走り回ってくれた菊池さん、その他何と言っても暑い中かけつけてくださったOBの皆様、多くの皆様のお力で今年も無事に開催できましたことを心から感謝いたします。来年もまた一掃濃く熱く実施できますよう日月会執行部一同努力して参りますのでどうぞよろしくお願い致します。

こいけひろの[20期・日月会副会長]

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2014_7 校友会総会参加報告

7月12日・13日に開催された、校友会総会・MSBサミットならびに地域フォーラム「アート&デザイン2014広島」に参加してまいりました。

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広島にふく風  (*HPを御参照ください)

地域フォーラム「アート&デザイン2014広島」は、260名参加の盛大なイベントでした。
岡崎乾二郎氏のイサムノグチの「幻の広島モニュメント」をめぐる話は、私的歴史・国家・対丹下といった状況に対し、綿密な批評の上に作られた墓標であったとする面白い話でした。柳幸典氏からは「瀬戸内海の離島プロジェクト」の秘話が語られました。横尾幸男氏の「時間の展示」は、演出家と相互啓発する舞台美術家の姿が感動的でした。

ー広島にふくアートの風ー

ー広島にふくアートの風ー

後半、地元「ひろしま神楽」が上演されました。厚みのある華やかな舞台衣装と、ステージ一杯を使って演じられる激しい動きの舞台でした。

芸北神楽

芸北神楽

平和記念公園内、丹下設計の広島国際会議場にて、各支部の方々と校友会本部の方々70名が参加し、校友会総会が行われました。滞りなく、2013年事業報告・会計報告、2014年事業計画・予算が承認されました。

MSBサミットでは、「これからのアート&デザイン」「サロン風月」についてグループディスカッションがおこなれました。ここでの協議は、日月会も協力予定の「サロン風月」内容にも反映されます。

MSBサミット 協議風景

MSBサミット 協議風景

2日間に渡る、年に一度の校友会最大のイベントは、盛況の内に閉会となりました。

以上 21期・会長 酒向 昇

 

 

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2014年度『日月会シンポ 第5回』開催の報告

2014年4月26日(土)、建築学科研究室にて日月会シンポが開催されました。

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2014年9月の「武蔵野美術大学建築学科創設50周年式典(仮称)」に先立ち、日月会では、今までさまざまな分野で活躍されている卒業生の方々をパネラーとしてお呼びして、シンポジウムを継続して参りました。

今回は、その5回目になります。また、50周年を節目として、日月会では「課題」というテーマのもと、「課題」を通じて科の歴史と建築教育の特徴を探ろうとする主旨で開催されるシンポジウムの2回目でもあります。

1970年代に建築学科に在籍されていたパネラーの方々による「日月会シンポ 第4回」に引き続き、1980年代前半から90年代前半を学生として過ごされた4人のパネラーにお越しいただきました。

加藤哲也さん(18期)加藤哲也建築設計事務所 主宰

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酒向昇さん(21期)竹中工務店 勤務

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田宮晃志さん(24期)ブラウ・トラウム・アーキテクツ 主宰

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林英理子さん(27期)リュースニングランドスケープ 主宰

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司会進行は、小倉康正さん(18期)武蔵野美術大学建築学科講師です。

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シンポジウムは、前後半の2部構成。前半は、パネラーの方々から、実際に設計された「課題」作品を当時の課題文とともにご紹介いただき、「課題」の特徴や出題者の意図、学生当時の思考の変遷について語っていただきました。

 

林さんは、分からないままに設計を開始した1年時の作品から、作図とプレゼンテーションのスキルを身につけながら、ダイナミックに変貌していく作品をご紹介くださいました。進級に伴い、大きな建築課題へと移行していく過程で、建築する規範となる敷地、地形へ興味の対象が移っていったこと、こうした思考が今日のランドスケープに従事することにつながってもいるというお話は、大変興味深いものでした。

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田宮さんは、同級生と競い合いながら、他を圧倒するようような大きな作品を制作されていました。学部時代のひとつの課題に6畳もある模型を提出されていたことには、驚かされました。グラフィックやファッションなどにも影響を受けながら、コピー技術などのデジタルスキルが手軽に導入できるようにもなってきていたことを利用して、極めて高度なプレゼンテーションを行なわれていました。

現在、コンピュータが一般化したが故に、プレゼンテーションが画一化してしまうような逆転した現象が学生課題で見受けられますが、学生のみなさんには、こうしたプレゼンテーションを学んでほしいものです。

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酒向さんは、学年を重ねるごとに、建築に対する深度が増していく作品精度をご提示くださいました。近現代の多くの歴史的作品を丹念に読み込まれていて、これを消化し、アウトプットする知的な手法と完成度の高い作品に魅了されました。故にパネラーの方々の中で、最も建築を取り巻く時代的な特徴を反映してもいて、当時の建築、文化的な背景という切り口からも多くを語れるように思いました。

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加藤さんは、緻密で端正な設計とドローイングの数々をご紹介いただきました。80年代初頭までは、模型に対する比重が小さく、反対に図面精度とその内容に重きが置かれていたとのことです。そのせいか、断面的な思考による空間創造と美しいドローイングは、秀逸でした。プレゼンテーションによるところではなく、設計自体に労力をかけるということ、それ故にじっくりと設計を読み込むことのできる厚みのある作品をご披露いただきました。

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第2部は、小倉さんの進行により、パネラーの方々のクロストークになりました。聴講されていた方々、学生の他、建築学科教授の源先生も加わり、当時の思い出話から、課題文に託された出題者の考え、それを読み込めない学生(笑)、現在の設計課題、課題環境との相違等、話は尽きることなく多岐にわたりました。

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3時間に渡るシンポジウムは、あっという間に終了、まだまだ話足りないので、引き続きの懇親会で、さらなる盛り上がりをみせました。

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「課題」を通じて1970年代から90年代前半まで2回のシンポジウムが開催され、時代背景、学生個人の思考と表現、課題出題者の意図、武蔵野美術大学建築学科の特徴など、徐々に明確化されてきたように思います。学生時代は、目の前にある課題に対して回答することに精一杯で、ややもするとそれは閉じた思考に陥ることにもなりかねません。今回「課題」そのものに焦点を当てることは、課題に対するより俯瞰的な「目」を獲得することにもなるのではないでしょうか。そうした意味において、次回のシンポジウムでは、より多くの学生のみなさんの参加を願わずにはいられません。

2時間の懇親会もあっという間にお開きとなり、パネラーの方々、参加いただいたみなさまも充実した時間をお過ごしいただけたように思います。

えっ?全然話し足りない・・・?

このあと鷹の台の駅前に場所を移して、長い夜は、まだまだ続くのでした。

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第10回フォルマ・フォロ・セミナー報告

4月19日(土)、遠藤信行さん(TOTOギャラリー・間代表、TOTO出版発行人/編集長)を新宿サテライトに迎え、第10回フォルマ・フォロセミナーを開催しました。遠藤さんは、ムサビ建築学科の14期生であり、セミナーには50名を超えるみなさんが集まりました。

「建築ジャーナリズムの果たすべき役割とは ― 建築を批評することは必要なのか、あるいは批評すべき建築が不在なのか」をテーマに、セミナー前半では自らの活動の紹介、後半は岩岡 竜夫(東京理科大学)を司会に、会場の参加者との対話が行われました。

講演中の遠藤氏

講演中の遠藤氏

遠藤信行さんは、「永年にわたる建築展覧会・建築講演会・建築出版を通じての建築文化の向上と発展への貢献」として、2013年度建築学会文化賞を受賞されています。

日本建築学会賞文化賞受賞

日本建築学会賞文化賞受賞

「家型」のイメージ研究論文を坂本一成先生とともに書きあげ、「建築文化」で編集を天職と感じ、「TOTO出版」立ち上げに参加、建築メディアの歴史を概観しつつ、現在までの活動を紹介して頂きました。若者の文字離れは、本に魅力がないからだと、自らを律する一面も。静かな口調で、言葉で語ることの大切さを語られました。

建築メディアの歴史

建築メディアの歴史

後半の対話では、鈴木明先生をはじめ、学生からも建築の批評に関する質問、対話が行われました。

作家の力を信じながら、編集者自らの感性に沿って多くの共感を得られる文化を発信し、人間の幸せに貢献する。メディアの役割について力強く語られました。

参加者とのディスカッション

参加者とのディスカッション

新宿サテライトでの懇親会後、日付けが変わる直前まで日月会の仲間達の議論は続きました。

2次会

2次会

日月会会長 酒向昇(21期)

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2014_4 平成26年度建築学科進路相談会

2014年度初イベントとして、日月会建築研究室・就職課・日月会共催の建築学科進路相談会が行われました。

夕焼けのキャンパス

夕焼けのキャンパス

学部3年を中心に、学部1年から院1年まで多くの学生が集まり、昨年より多くの学生が参加した充実した会になりました。

パネラーのプレゼンテーション

パネラーのプレゼンテーション

6名の卒業生が学生時代の活動と現在の活動についてプレゼンテーションを行いました。

• ハウスメーカー
丸茂公祐(まるも こうすけ)大和ハウス工業株式会社 住宅設計課
•アトリエ事務所
後藤美紗(ごとう みさ)元若松均建築設計事務所
•組織事務所
川畑勝也(かわばた かつや)株式会社佐藤総合計画 第一設計室
•出版/編集/グラフィックデザイン
飯田将平(いいだ しょうへい)  inu.nu
•フリーランス(留学経験者)
坂本和子(さかもと かずこ) 建築・デザイン関連のPR/翻訳/企画
ジュエリーデザイナー
•矢崎 文(やざき あや)SHAFCA/株式会社キリレ 代表

布施先生による挨拶

布施先生による挨拶

個別相談

個別相談

多様なジャンルに進んだ先輩たちの仕事ぶりをかいま見ることにより、集まった学生が進路選択の糸口をつかめることを期待します。

懇親会風景

懇親会風景

懇親会では、興味のある先輩の話を聞くために学生が集まってきました。即効性のある会ではありませんが、進路に対して意識を持つ事により、参加された学生さんたちの今後の人生設計に良い影響を与える事を期待します。

日月会会長 酒向昇(21期)

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