先週末の土曜日 第14回日月会賞審査会が行われました。
あいにくの雨で蒸し暑い一日となりましたが、27作品のエントリー、8名の審査委員を迎えて盛況となりました。
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菊池スタジオの課題は「グラフィックでつながる都市の複合施設」
↑敷地は桜木町の駅前。共通の周辺模型が中央に置かれています。
グラフィックなもの、に対する解釈も様々で楽しい模型が多いスタジオでした。
↑インタビュー中の審査委員北嶋さん。卒業ホヤホヤの45期。
↑新月賞受賞になった石川さんの作品「表/裏」。
インテリア系の学校からの編入という彼女は、ピュアな思考と丁寧な空間作りが好評でした。
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高橋スタジオの課題は 「グラデーショナル」と「JR中央ラインモール計画」。
↑大きい模型がゴロゴロあり、グループ課題ということもあって人数も多くにぎやかな展示風景。
↑満月賞を受賞した「たなぼこ」
こちらはグループでの受賞です。若林さん、荒井さん、藤村くん。
中央線のガード下、南北に分断される町、都市的なスケールの空間を正方形の「棚」が様々な大きさや高低差を持って柔らかく埋めています。完成度の高さで最後まで太陽賞を争った作品。
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長尾スタジオは「神楽坂プロジェクト」。
ただ歩くだけでうれしくなる神楽坂という町に住居と商業の複合施設を作る課題。
わくわくしますねー。
↑こちらは複数ある敷地を共通で製作。1/50で段ボール素材で統一しているので結構なボリュームです。
三日月賞受賞の「芸者とおり」作者の深澤さんと審査委員の北嶋さん。
↑「芸者とおり」模型。ビルに挟まれた立地で細長い形状。類型になりがちな条件の中で縦横につながる路地的空間の構成と身体的なスケール感が評価されました。
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宮下スタジオの課題は「Design with Nature」。
自然と対話しながら、環境-自然-建築-空間について考察し、原寸で作る課題。
今年はあいにくの雨で、本来屋外に展示するものを屋内に移動したため、空間の広がりや周囲との対話が中々表現しにくい状況の中、力作が揃いました。
↑太陽賞に輝いた「Bambrella」。女子4人チームで柳川さん。藩さん、内山さん、篠田さん。
竹とひもで組んだ傘状のユニットを単位として、連結する数により異なるスケールの空間を生み出そうとした作品。もの自体のできの良さ、バリエーションのプレゼなど完成度の高さが好評でした。何より「楽しそうに元気にやっている!」ところも審査委員には伝わったようです。
今年は過去最多(たぶん)の27作品で、インタビュー時間3時間はあっと言う間。
中々話しが終わらない審査委員の方を拉致して、審査にはいっていただきます。
↑悩み中。いえ、ずっとこんな暗い感じではありません。これは投票用紙を書いていただいているところ。
さて、今年から新たな試みとして審査の内容を少し公開できないか、との取り組みを始めました。
最初の一歩として、第一次投票の内容を審査協議中にすでに外に貼り出して学生の皆さんにも見てもらえるようにしました。
この形式が良かったのか?ほかに方法は?などまた今後ご意見をいただいて改善していきたいと思います。
審査の方は太陽賞候補に「たなぼこ」と「Bambrella」が3票づつ獲得で同点。
議論が白熱しました。
片や迫力ある原寸の作品、片やスタンダードな図面・模型表現による建築作品。
同列に審査するのは中々難しいところでした。
審査時間を大きく超過して、今年は「Bambrella」が太陽賞となりました。
「原寸だから」というチカラ技ではなく、ひもを使ったディテールや麻と竹の素材のもつ清涼感、そして上記にもあげた組み合わせ方による空間の出来方、プレゼなど全てがよく考えられていたところが評価されたのだと思います。
↑審査委員長の小泉さんより表彰状の授与。おめでとうございます!!
長い時間に渡って真剣に審査してくださいました審査委員の皆様、本当にありがとうございました。
また参加してくださった学生のみなさん、ご協力いただいた研究室の方々、会場へ駆けつけてくれたOBのみなさん、(本当に走ってきてくれた浜田さん!)ありがとうございました。
最後時間制限の中受賞コメントをすっとばしてしまい、多々不備のあった司会進行でした。
この場を借りて御礼とお詫びを申し上げます。
また来年も日月会賞審査会がより盛大に開催されますように、執行部一同今後いっそう努力していきたいと思います。
コイケヒロノ[20期]